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2023.10.30

ゲームとeスポーツの違い-eスポーツ”らしさ”って何だろう

皆さんこんにちは!METAGAMEスタッフの阿部です。実は僕は論文を読むのが趣味で、いろいろな論文を読んだりしています。

その中で、ひとつ気になるタイトルの物を見つけました。


「それはeスポーツではない」――競技ゲーミングの正統性の社会的構築

https://www.jstage.jst.go.jp/article/digraj/14/2/14_9/_article/-char/ja/


いきなり「それはeスポーツではない」という決めつけから入っている所や、

「正統性」やら「社会的構築」やら難しそうな日本語が並んでいてなにやら凄そうなお話です。

本日は、この論文の中身をほんの少しだけお借りしつつ、「eスポーツとはなんぞや」という話に少し触れていければと思います。

「eスポーツ」と一口に言うけれど

 「eスポーツ」って、僕たちMETAGAMEももちろん毎日支援の為に触れる物ですし、好きな人にとっては日常的に触れるような趣味でもあったりします。

 だけれども、いざ「eスポーツって何?」「普通のゲームと何が違うの?」と聞かれると、100%キレイに答えるのも意外と難しいものです。

 僕も立場上、このような質問はしょっちゅう聞かれますが「メタのHPに記載のタイトルで〜」だったりとか、「他の人と、競い合うのを目的にしているゲームの事で〜」などの説明に着地することが多いです。



 一見上手く答えられているように思いますが、実はそうでもありません。「私が普段やっているスマホゲームはeスポーツですか?」「僕はゲームのRTA(リアルタイムアタック。一般的なTVゲーム等のクリアタイムを競う。)が好きですが、これもeスポーツに入りますか?」等々。

 「メタゲーム的にeスポーツとして扱っているタイトルのプレイをお願いしています。」と答えれば話はそれまでですが、言われてみればそれがeスポーツではないのは何故?ひょっとしたらそれもeスポーツなの?と少しモヤっとしてしまいます。

 メタで扱っているタイトルのほとんどはPCやゲーム機の物ですが、別にスマートフォンでもFPSゲームは出来ます。RTAだって、ゲームを通して他の人と競っているわけですから、eスポーツだと言う理屈もわかる。


 しかしながら、これらを「100%全部同じeスポーツだ!」と言い切るのも何か違和感がある。いや、言い切っている人はいるかもしれないけれども、実際にSNS等で、まったく同じものとして話している人も少ない気がする。それはなぜ?考えれば考えるほど、ドツボにはまっていくような…いや考えすぎですか?

eスポーツと認められるには

 僕が勝手に悩んでいる問いでしたが、なんと、この論文ではその問題に上手にラインをひいているではありませんか!

 この論文によると、eスポーツをそう認めようとする価値観には三つの要素が存在するそうです。それは…

アスレティシズム

エンジョイメント

マチズモ

だそうです。

いや…

日本語でええやん!!!!!!!!何言うてるかわからん!!!!!


と普段の僕なら言っていたかもしれませんが、今はお仕事中です。少し真面目に読んでみたのでちゃんと解説してみます。

 まずは「アスレティシズム」。

いきなり難しそうな言葉ですが、意味は意外と単純です。わかりやすく日本語に直すと「そこにスポーツマンシップが成立するかどうか」ということです。スポーツは、ただ遊ぶだけでなく、遊ぶ上で忠誠心や帰属意識、人格形成のための道徳観や価値観を身につけられるかどうかを重視するということですね。

 確かに、最近プロeスポーツプレイヤーも、非常に大きな注目を集め、日々の言動や態度をよく見られるようになってきています。僕たちのような、eスポーツを就労継続支援として扱う事業所が認められるようになっているのも、この「アスレティシズム」の価値観をスポーツから受け継いでいるからこそ、人々の支援に役に立つと思って頂けているということもあります。


 次は「エンジョイメント」。

これは、見てる側ややってる側が「楽しい!」と思えていることを重視する価値観ですね。例えば1vs1の対戦ゲームだと、一度攻撃を当てて時間切れまで逃げ回る戦法がよく嫌われています。例えば少し前の日本代表のサッカーだと、失点さえしなければ決勝トーナメントまで進めるという場面で、消極的なパス回しばかりしていて賛否両論を生んだことがあります。

 最近のeスポーツは、敵を倒した時の演出が年々派手になってきています。これも、このエンジョイメントという価値観に合わせた結果でしょうか。

 最後は「マチズモ」。

これは直訳すると男らしさや硬派さを求める価値観ということになってきます。これは、現在のスポーツがこれまで男性を優位として発展してきた価値観を、同じくeスポーツに持ち込もうとする価値観です。

 論文では、インターネット配信のコメント欄を元に解析を行っておりましたが、例えばスプラトゥーンを代表する任天堂のゲームは長らく「男らしくないからスポーツでない」などの理由でスポーツとは見なされづらかった側面があると言っていました。


 当然、現在ではジェンダーや性別についての議論も活発なように、男らしさ=競技だ という方程式は必ずしも成り立つものではありません。実際に僕も、Valorantでの女性チームの活躍で盛り上がっていたくらいですし。しかしながらまだまだeスポーツ市場には男性が多く、こうしたマチズモ的価値観は無視できないのではないか、という主張も存在するようですね。

結局eスポーツとは…?

 ここまで書いてきてなんですが、結局何がeスポーツなのかという結論はつけられませんでした。特に「マチズモ」は少し前時代的な価値観と言われてしまえばそうですし…書いている僕も時代は変わったとハッキリ言えると思っています。

 ですが、こうした議論もあるよということも知っておくとまたeスポーツについて考える楽しみが増えるのではないでしょうか。

それではまたお会いしましょう!

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